白隠禅師『軟酥鴨卵の法』でストレスを溶かし出す

仕事で疲れた時、プレゼンテーションの前などの緊張をほぐすのにちょっとした時間で簡単に出来る瞑想法です。ダウジングや占術の前の精神統一にも向いていると思います。しかもこれの良いところは非常にイメージが掴みやすく、また各人が自分にイメージしやすいようにアレンジすることが容易なところです。

白隠は17世紀中葉に生まれ、臨済宗中興の祖と呼ばれた江戸時代の禅僧で、厳しい修行によって現代風に言えば神経症に罹り、京都白川の白幽仙人に内観法と言われる療法を学んで病を全快させたという記述が自著の「遠羅天釜(おらてがま)」にありますが、そのなかで紹介されているのがこの「軟酥鴨卵の法」です。

まず、椅子に座り瞑目し、頭上に鴨の卵ほどの柔らかい丸薬が乗せられているところをイメージします。

その丸薬は妙なる香りの体温でとろけるような柔らかさで、あらゆる病、悩みや煩悶までも癒す効力のある高貴な薬で出来ています。

深呼吸をしながら、この軟酥が次第に体温で溶けて体を暖かく下って行く様をイメージします。

まず、脳を潤しながら降りて行きます。そのときに仕事や家庭の悩みや過去の罪、気がかりなことまでもが軟酥に溶けだして行くことを想像します。眼、鼻、耳などを潤しながら、首、胸を通り、次第に降りて行くことをリアルにイメージするのです。その際に具体的に痛みや病のあるところがあればそこがこの軟酥によって癒されることをイメージすることがポイントです。

体中の毒素を溶かし出しながら降りてゆく軟酥は暖かく足下に溜まってゆき、ちょうど足浴をしているように足下と下半身を暖めてゆきます。良い香りと暖かさで非常によい気分です。

これを一回のセッションとして何度か行います。

この瞑想法は慣れるといわゆる頭寒足熱の状態を容易に実現することが出来ます。
女性に多い手足の冷えにも効果があると思われます。

シュルツの自律訓練法に似ていますが、私の経験ではそれよりも具体的にイメージ化しやすいところがこの瞑想法の特長と思います。通勤時の車中などは格好の練習場所かも知れません。

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