星海ケン 「人は死んだらどこに行くのか―《モーエン流死後探索術》体験記」
著者は幼い頃からいわゆる霊感がありそれ故の悩みをモーエンのワークショップで解決するという半生を語ったもの。そう言えばモーエンも著者同様の人生の疑問を幼い頃から抱き、しかもやはり霊感的素質のある姉を持っていた、と著書の「死後探索」にあります。ちなみにモーエンの妻はモンローのワークショップをカルト扱いしていたようですが、モーエンの言葉を借りれば非物質界とのコンタクトはやはりそういう血筋というか家系を持つ人にはやり易いのかも知れません。
ヘミシンクのフォーカスという概念も言わばモンローの世界観を体現したもので、ヘミシンクとは彼の世界観を追体験することでもあって、さあ、このステージではこういう体験をするよ、という誘導瞑想の一種なのかも知れません。それ故かよく体脱中にモンローに遭遇するという話を聞きますが、著者もやはりモンローに会っています。
同じバイノーラルでもヘミシンク以外のもので体脱する人の話にはモンローが出て来ないというのも示唆的です。しかし、両者とも体験の中で物質界でのエビデンスを得ることもあり、あながち単なる幻想、フォーカスを共有するという意味では共同幻想というべきか、とも言い切れず、この辺りはなかなか興味深いところです。