中村文聡 「測字精通(全)」

周易, 書籍・文献, 雑占雑占

サイトの趣旨とは少々異なってしまいますが、これは測字占に関する書で台湾の陳詔皇(正しくは土偏に皇)が昭和13年に東京の悠久書閣に招聘され行われた講義の筆記録です。中村文聡といえば気学なのですが、推命や手相、人相、姓名学などの著作も多くあり、気学ではわざわざ五黄殺の方位に引越してその作用を確かめるという話が有名です。私の手元にあるのがこの書と「韋氏推命学講義」の二冊でどちらも気学関係ではないのですが、以前「気学占い方入門」を持っていたものの結局売ってしまいました。

さて、この本は題名通り測字に関する書ですが、測字とは問占者が提示した漢字一字をもとに、その構成要素で占うものです。占例をみればよく分かりますが偏や旁、その一部をみていわば物語を紡いでゆくのです。

例えば「言」という一字から、これは恋の始め(恋の旧字、戀)などと見てゆくのです。まさに漢字文化圏ならではの占です。個人的には精緻な機構を持つ占よりも周易やこの測字、タロットなどのインスピレーションをもとにした占が肌にあっている気がします。占は当て物というよりそのまま発想法や自己解放のツールと考えるからです。占って貰うのではなく自分が占うということに意味があり、また優れた占者とは問占者の自己解放を上手く引き出せる人、と言えるかもしれません。