[雑記] 古刹にて

よく寄る古刹の境内に水鉢があって蓮が活けてあるのですが、この間まで綺麗な花が咲いていました。

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上の写真はこの花を写したものです。

蓮は仏像の蓮台のモチーフとしてよく見るところですが、葉が開く前は縦にクルッと細長く丸まっていて、比叡山で回峰行をする阿闍梨の被り物はこれが元だと聞いたことを思い出しました。

よくみると、一匹のアリが密生した葉を次から次に渡り歩いています。

ぼーっと見ていると、いまこのアリがとてつもない歓喜に満ちているのだという感じがしてきました。
歓喜というのか、うきうきするというのもちょっと違う、静かで強い喜びの力です。

確かにこういう感覚の片鱗を子供の頃にも感じていたのを思い出しました。
ふと香りで思い出される昔の記憶にも似ています。

実はこんな歓喜に世界は包まれているのにそれを目先の小さなことで頭を一杯にして自ら目を塞いでいるのではないかとふと思ったのです。

あることでここ一か月間、この古刹におられるお地蔵様に、あるべきように納まるようお祈りをしていました。
今日、一応の決着をみましたので、お礼に塩一袋をお供えしてお礼を申し上げました。
このお地蔵様は塩をお供えする習わしになっているのです。

地蔵菩薩の真言は オン カカカ ビサンマエイ ソワカと言いますが、このカカカというのは呵呵大笑のそれで、ハハハと笑う声です。この笑い声は歓喜です。なるほど、あの感覚はここから来ているのかと気づいたのです。

あのアリも蓮の葉も、そして実は自分の心もハハハと笑っていたことをこれまで忘れていたのかも知れません。

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