切り火 〜 場・思念の浄化
用あって両国辺りを散策ついでにとある店で小さな火打石と火打鎌のセットを見つけ、以前から場の浄化に欲しいと思っていたので思わず衝動買いしてしまいました。
切り火といえば時代劇で主人が出掛ける際に、おかみさんが肩口で二三度清めて送り出すシーンですが、まずはそんないなせで粋な江戸の所作を連想します。
しかし調べてみるとこれは古事記にも記載があるもので江戸時代には実用でもありましたが、魔を払い場の浄化のために行われてきた伝統的なクレンジング技法でもあります。
火で清めるというのは密教や山岳修験の護摩、その前を辿れば拝火教にも繋がるのでしょうか。少なくとも人間の根源的なものに直結していると思うのです。
早速試してみましたが、何度か行うに連れ段々と火花が出るようになってきました。
コツもあるようですが、そもそも切り火の原理は石が発火するのではなく、石で削られた鉄が燃えて出るもので、そのため何度か試すうちに鉄が、火打鎌と言うそうですが、削れやすくなってくるために段々と火花が出るようになるらしいのです。
またその削る側の火打石はある程度の硬度と割れ口の鋭利さがあればどんなものでも使えるというのを今回初めて知ったのです。
そこで、例えば水晶でも使えるのかどうか、手持ちの天然水晶柱で試してみましたが、結果は見事に綺麗な火花が出ました。ただ、割れた際の破片が鋭利になるので危険かも知れません。セットに付属の石も削れて割れますが、ぽろぽろとして粉になるのでこの方が向いているようです。
何か不浄なものを見たとき、心にわだかまりを感じて拭い去れないとき、場を浄化したいときなどに使ってみたいと思います。